わが家は、とくに「田舎暮らし」を目指して房総半島に移住したわけではない。
単に、「海の近くで暮らしたい」という軽いノリが始まりだったのだ。
当初は近所の人たちも、「都会から来たモノ好き夫婦」ぐらいの感じで見ていたかも知れない。

でも、借家の隣に手作りの小屋を建て始めた頃から、次第に地元の人々とのつき合いが多くなり、
急速に、「土地」との距離も近づいたような気がする。

越してきた当初は、週に3日は東京に通っていたが、軸足は徐々にこちらに移っていった。
著述業という特殊性もあるかも知れないが、
インターネットの普及もあって、
田舎に暮らしていることのハンデは、極端に少なくなったと思う。

東京までは高速バスを使うと一時間ほどだが、おかげですっかり足が遠のいてしまった。
都会の雑踏も嫌いじゃないのだが、ここにはもっと楽しいことがたくさんある。

そして、新たに土地を購入し、
汗まみれになってそこを開拓をするようになってからは、
さらに懇意にしてくれる人や「話しができる人」が増えた。

何かを頼むと必ず助けてくれるし、
こちらも頼まれたときには引き受ける。
昨日も、近所の農家から田んぼを始めるための道具を大量にいただき、
今日はお隣の畑のイノシシ対策(結構出没するのだ)のための電気配線を手伝ってあげた。

もちろん、金銭のやりとりは一切なく、そこにあるのは信頼関係のみ。

昔から、田舎には「結い」という、ムラ社会ならではの助け合いのシステムがあったそうだが、
ここでは、それが干渉しすぎることなく、今でもいい感じで息づいているのかも知れない。
息子たちも、友達とそれなりに楽しくやっているようだ。

もちろん、田舎ゆえの理解しがたい事象もなくはないが、それもまた地域社会。

老若男女、家族もろもろが地域のなかで一緒になって「汗を流す」ことが、いま、大切なのかなと思う。

そうだ、今年の暮れも近所の人たちを呼んで、大餅つき大会をやろう!