イマエダ家からの帰り道、中央高速の掲示板を見ると「談合坂より渋滞20キロ」。
そういえば、夏休み最初の休日だったのか。
で、ちょっと寄り道しようと、山梨に暮らす陶芸家の友人に電話してみると、
「一緒にビール飲もうよ!」

彼ら夫婦とは、学生時代に海外を放浪していたときに出会って以来、20年以上の付き合いだ。

R0010106.jpg

その作風は、本格的な登り窯による焼き締めが特徴。
ウチで使っている茶わんや皿、湯飲みなどは、ほとんど彼からの貰い物なのだが、
いまでは、毎年のように銀座で個展を開くほどの実力者になっている。
R0010118.jpg


しかし、彼らが15年ほど前に山梨の山奥で突然陶芸窯を築いて「陶芸家宣言」をしたときには本当にビックリした。
「陶芸家って、そんなに簡単になれるの?」と。
実際、いまのニッポンで、まったくのフリーの立場から陶芸家になって、
それだけで食っている人というのは、ほんのひと握りだろう。

今回も、ビールを飲みながら彼らが無名だった頃の苦労話で盛り上がってしまったのだが、
「結局、運にも助けられたんだよね」とポツリ。
たしかに、陶芸家としての地位を確立した引き運のよさはあると思うが、
それでも最初に石を投じなければ、その結果もないわけだし、
その決断には素直に感動する。

結局、その夜は深夜の2時過ぎまで話し込んでしまった……。