1日の解禁から不調続きだった湊川ですが、6月の中盤以降は地元のベテランが半日粘って50〜70尾程度は釣れるようになってきました。
私も、今日の午前中2時間で30尾ほど。
サイズも最大で16センチと確実に成長しています。

今年はスタートダッシュが遅れたので、もしかしたら今後はロングランで楽しめるかも知れませんね。
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そこで「これからアユのエサ釣りを始めてみようかな?」という方のために、
私が最近使っている仕掛け、そして湊川の今シーズンの傾向と釣り方をご紹介しておきます。
合わせて、拙著『川釣りの極意』も参考にしていただければバッチリ!だと思います。


川釣りの極意 (つり人最強BOOK)
西野 弘章
つり人社
2008-08-01


 


1、アユのエサ釣りに適した竿とは?

これは、湊川の「本流」で釣るか、相川などの「支流」で釣るかによって変わってきます。

まず、本流の場合はズバリ、長さ4.2mの清流竿がいいでしょう。
竿が長いほうが探れる範囲は広がりますが、長い竿は確実に重くなります。
この釣りでは仕掛けを何度も打ち返していくので、とにかく軽い竿がオススメです。
また、渓流竿を使う人もいますが、清流竿よりも重くなりますし、竿先が硬いタイプだとバラシが急激に多くなります。

続いて、支流の場合です。
こちらは川幅が狭くなってくるので、長竿は無用です。
私が愛用しているのは長さ2.9mの小物竿で、重さはナント25gしかありません!
軽い竿は操作性が抜群なので、結果的に釣果にも結びつきます。

2、シンプルな「玉ウキ仕掛け」がオススメ!

ウキ釣りの仕掛けには、いろいろなバリエーションがあります。
湊川でも、トウガラシウキや発泡ハエウキなど「立ちウキ」系の仕掛けや玉ウキ仕掛け、シモリウキ仕掛けなどが使われています。

それぞれ一長一短がありますが、私のオススメは玉ウキ仕掛けです。
流れにもまれにくくてアタリが取りやすく、しかもトラブルが少ないので初心者の方にも使いやすいと思います。
シンプルに玉ウキ1個使いの仕掛けでもいいですし、3〜4個の小粒の玉ウキを連ねるシモリウキ仕掛けでもいいでしょう。
作り方は簡単ですが、よくわからない場合は『川釣りの極意』を参考にしてみてくださいね。 
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ハリについては、アユのエサ釣り専用のアユエサ1号で決まりです!
シーズン終盤の大型アユを狙う時には袖の3号とかを使う場合もありますが、初期に関してはハリは小さければ小さいほどいいです。
ハリの色についてもいろいろとウンチクがあるのですが、長くなってしまうので気になる方は『川釣りの極意』を参考に!

なお、仕掛けはあらかじめ家で2、3組ほど作って持参すれば、釣り場での準備がスムーズになります。
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竿と仕掛けのほか、良型のアユをキャッチするための玉網(25センチ径ぐらいの小型でOK)、釣れたアユをストックしておくためのビク、エサや撒きエサを入れるエサ箱なども用意しておきましょう。
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3、付けエサは「イカ」で決まり!

アユのエサ釣りに使うエサとして定番なのが「シラス」です。
シラス干しではなく、白くて軟らかい「釜揚げ」タイプのほうですね。
これの頭の部分だけをハリ先に刺して使うわけです。
シラスは非常に食いがよくて最高のエサなんですが、唯一にして最大の弱点が「エサ持ちが悪いこと」。

そこで、『川釣りの極意』でも紹介しているのが、スーパーなどでも普通に買えるイカです。
シラスよりもエサ持ちがよくて、アユの活性が高ければ食いも遜色ありません。
生のイカの皮をむいて、パスタ程度の太さにカットした状態で釣り場に持参し、実際に使うときにハリにチョン掛けした状態でハサミでカットすればOKです。

ここで注意したいのが、エサの大きさ。
イカの場合は、米粒の半分ぐらいの大きさにするのが正解です。
これ以上の大きさになると、とたんに食いが悪くなるので注意してください。
エサは小さく装餌することが、アユのエサ釣りの最大のキモなのです。 
  

4、撒きエサについて

普段は石に付着しているコケを食べているアユですが、シーズン初期には流下してくる動物性のエサ生物も捕食しています。
こうしたアユの活性を高め、ハリが付いたエサに対しても違和感なく食わせるために威力を発揮するのが「撒きエサ」です。
湊川の場合、撒きエサに使用するのはシラスが定番です。
使用するときはシラスを指で潰して撒くのが手っ取り早いですが、湊川ではシラスをひとつまみ口に含んで、モグモグとしてからプーッ!と吹き出して撒くベテランも少なくありません。
私も以前はこのスタイルでしたが、最近はあらかじめ家でシラスをミンチ状にすりつぶしたものを持参し、少しずつ手で撒いてます。
 

5、シーズン初期は、雨後の濁り時がビッグチャンス!

実際の釣り方については『川釣りの極意』で詳細に解説してますが、ここでは湊川での今シーズンの釣り方について触れておきます。
 
例年の湊川ならアユの群れがあちこちに回遊していて、どこのポイントに入ってもそれなりに釣ることができます。
しかし、今シーズンに関してはかなり魚影が薄く、正直、私も湊川以外の房総河川でアユ釣りをすることが多いです。
それでも、やはり私のホームは湊川。
(ちなみに、『川釣りの極意』の表紙写真も湊川です)
ここ数日は朝か夕方のどちらかに湊川に通って、ある程度の戦略がまとまってきました。

まず、釣り場についてですが、本流は捨てて支流の相川を選ぶのが手堅いです。
もうひとつの支流で爆釣中との情報も入ってますが、私はまだチェックしてないので調査次第ご報告したいと思います。
ちなみに、遊漁料は2,000円で、湊川下流にあるスーパー「吉田屋」などで入漁券を購入できます。

続いて、釣りをするタイミングですが、理想を言えば朝と夕方がチャンスです。
ですが、遠方からやってくる方にとっては、やっぱり昼の時間帯に釣りたいことと思います。
その場合は、やっぱりドピーカンの快晴よりも、曇天、あるいは小雨がパラついている天気のほうが有利ですね。

また、現在は梅雨のさなかで、雨が続くと川は増水して濁りも入ってきます。
こうした状況は、鮎の友釣りではマイナスの要素が大きくなりますが、ことエサ釣りの場合はむしろチャンスだったりします。
前述したように、アユは基本的に石のコケを食べますが、シーズン初期のアユは流下するエサ生物も捕食しています。
そして、川が増水して石のコケがきれいさっぱり洗い流されてしまうと、その傾向が一気にヒートアップするのです。
こうなれば、ピーカン快晴だろうが日中だろうが関係なくアユはエサに食ってきます。
今日の状況が、まさにそんな感じでしたね。

相川の場合、かなりの大雨が降ってもその2日後には濁流はなくなって、エサ釣りに理想的な状況になります。
また、下の写真は大雨の翌日の状況ですが、流れの緩やかなポイントではしっかりアユを釣ることができました。 
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しかし、「休みが決まってる普通のサラリーマンは、そんな雨後のチャンスなんて選べない!」という人も多いと思いますので、どんな状況でも手堅く釣るための法則をお伝えしておきますね。
それは、同じポイントでも仕掛けを流す筋は無数にあって、その筋によって釣果が大きく変わるということです。
たとえば川幅が3mの小さな流れでも、狙えるポイントは「流心、手前のカケアガリ、手前の岸ぎわ、対岸のカケアガリ、対岸の岸ぎわ」といった具合に5つのブロックに分けることができます。それぞれのブロックは50センチぐらいの幅があり、さらにそのブロック内でも仕掛けを流せる筋は10通り以上あります。
極論すると、仕掛けを流す筋が5センチ違うだけで、釣果が10倍違ってくることがあります。

そうした無数の筋の中から「食い筋」を発見するのは「粘り」しかありませんが、
今シーズンの湊川では岸ぎわで食ってくるパターンが非常に多くなってます。
水深の浅い岸ぎわでは、当然、川底がまる見えです。
そして多くの場合、そこにアユの姿を目視できることはありません。
ところが、実際にその筋に仕掛けを流してみると、まったく見えなかったはずのアユが食ってくるのです!

そしてもうひとつ、晴天時の昼間に狙ってみたいのが、下の写真のような岸ぎわのボサまわりです。
晴天時のアユは警戒心がマックスで、こうしたボサなどのエグレの中に隠れていることが結構あります。
できるだけ静かに仕掛けを投入して、ボサぎりぎりを狙ってみてください。
意外な大物が食ってきてビックリしますよ。
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なお、こうした場所は立ちウキで攻めることは難しいので、前述の玉ウキ仕掛けで狙ってみてください。

もう一度、アユのエサ釣りのコツを整理してみると……

1,釣りを始める前に、できる範囲でアユの着き場を探してみること。
2,エサはできるだけ小さくハリ掛けすること。
3,アユが一尾釣れたら、その流れの筋を集中的に攻めること。

 それでは、よい釣りを!

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(2022年5月追記)
上記の方法をさらにアレンジしたアユ釣りのノウハウを『超ゼロから始める釣り入門』で解説しました!
アユ釣りのほかにも、オススメの海釣りから川釣りまでを網羅。
全編が写真マンガで構成されているので、お子様にもぜひ!